公式プレスリリース(HTML版)
 昨日、スクウェア・エニックスが「ドラクエIX」を含む4作品をアルティメットヒッツで再発売することが明らかになりました。特に「ドラクエIX」は、昨年7月に発売されたばかり。シリーズ最速とも言われる約8ヶ月での廉価版発売について、少し考えてみました。長めです。

スクウェア・エニックスから見た「利点」とは何なのか。
 そもそも、この早期のタイミングで廉価版を発売することに対し、スクウェア・エニックスにどのような利点があるのかと考えてみると、素人目には大きく5点挙げられます。

  • 1、今期売上高のさらなる向上。
  • 2、中古販売市場への牽制。
  • 3、まだ購入していないユーザーへの購入意欲の喚起。
  • 4、「ドラクエVI」の販売本数向上の布石。
  • 5、中古販売店への配慮・・・?

 順番に見て行くと、

1、今期売上高のさらなる向上。
 これは以下の3にも付随してくることですが、会社として単純に売上高の向上を目指した為というもの。当たり前ですね。

2、中古販売市場への牽制。
 これが大きいのではないかと思います。
 中古を扱う小売店では、新品と同程度、もしくは新品以上に中古の需要が高まるものと思われます。もちろん、それはなにより新品よりも価格が安いことに尽きるわけですが。
 しかしながら、ドラクエIXは新品で買った人が中古に回さないようにする工夫(週替わりのクエストを配信したり、Wi-Fiショッピング、多くのプレイヤーと協力して達成するクエストの配信など)を行ってきたことによって、ある程度中古への流入を防げたのではないかと思われます。
 その施策によってある程度防いでいた中古への流入ですが、発売から時間が経つごとに少しずつ効果が薄れ、それもまた少しずつ中古へ流れることが多くなったはずです。はじめはあまり多くなかった中古も、時がたつに連れて在庫は増してくるはず。そして需要・供給のバランスが少しずれてくると、中古の価格相場がじわじわと下落していきます。
 発売当初は恐らく定価の10%-20%オフで販売されていた中古も、何ヶ月か経つと40-60%程度の販売価格に推移してきます。そうなると、新品と中古の間で保たれていた販売本数のバランスが、中古へ傾いてくる。安くなった中古は売れるけど、あまり値段が変わらない新品はあまり売れなくなる、このような流れができたのではないかと思われます。

 そうなると、小売店自体には利益が還元されますが、販売元のスクウェア・エニックスにはほぼ利益が還元されない状態になると。
 私が先日ちらっと見た大手中古販売店でも、ドラクエIXの中古価格が2,980円になっていました。恐らく全国的にも2千円後半から3千円前半の間を推移しているのではないかと思います。

 もしこれが理由だとすると、このタイミングで廉価版発売を発表した意図が見えてきます。すなわち、中古がちょうど良い価格になり始めた頃に、新品をちょうどよい価格で再発売することで、一気に中古から新品へ需要を移すことが目的でしょう。

 すでに出荷本数はシリーズ最高の415万本を突破していますし、販売本数も400万本を超えているので、1本あたりの利益が減ったとしても問題ないはずでしょうし。そう考えると、個人的には「思い切っているけど、意外と良いタイミングなのかも」と思えます。

3、まだ購入していないユーザーへの購入意欲の喚起。
 2に続いてこちらも大きいかも知れません。
 いくら400万本以上販売したと言っても、ニンテンドーDS本体の普及台数は、2009年9月末の時点でもおよそ2,800万台(日本国内のみ、引用元:Wikipedia)と約1/7。(複数台所持している人がいても、大きな差が開いているでしょう。)
 当然、まだまだソフトを普及させられる可能性は残っているということです。「欲しいけど、今ひとつ購入に結びつかない。」といったユーザに対してのアプローチなのかとも思います。

4、「ドラクエVI」の販売本数向上の布石。
 これは微妙かも知れません・・・。
 今月28日に発売される「ドラゴンクエストVI」の発売後からおよそ1ヶ月後の発売となる今回の「ドラクエIV、V、IX」の廉価版。

 となると、発売から1ヶ月たって少々売上が落ちてきた「ドラクエVI」の売上本数を、もう一度上げる狙いがあったのかもと思われます。もしかしたら4~6とか、4、5、6、9とこの機会にまとめ買いしようとする人も出てくるかも知れません。

5、中古販売店への配慮・・・?
 元々利点は「4点」にするつもりでしたが、書いているときにふと思ったので1点追加しました。
 一見、中古販売店にとっては良くもあり悪くもあるように思える今回の発表ですが、「タイミング」だけ見ると若干販売店への配慮があるようにも・・・、思えます。

 それは、年末~年始の商戦期がある程度終わったことにあります。恐らく、小売店は年末、年始に拡大する需要のため、年末の前から中古ソフトの在庫調達をかなり多めに行っていたはずです。
 もし、上記1~4の理由で廉価版の発表・発売を行おうとした場合、例えば年末の前(10月~12月)に行うと、必死に中古をかき集めていた販売店にとってはかなりキツイ打撃になりかねないし、そもそもその時期であれば中古の価格もそれほど落ちていないでしょうから、新品自体の価格を下げてしまうことはあまり得ではありません。
 同じように、年始から時間がたった2、3月に行うと、また中古の在庫が少しずつ溜まり始めます。それも、大体3千円前後で販売することを考えて、千円前半から2千円前半で買取を行うはずで、その後の廉価版発表も大きな痛手になること必須です。

 となると、中古販売店にとっての発表のベストタイミングはまさにこの時期と言えるのではないでしょうか?年末年始のためにかき集めた在庫が一気にはけて、上手く行けば何も残っていないこの時期。あまり時間が離れないようにするならば、この時期が一番ダメージが少ないように思えます。
 そういった点で小売店に対しても多少の配慮があったのかも知れません。


 長々と偉そうに語ってしまいましたが、私の中で「最短タイミング」に対する疑問は結構氷解してきました。1、2年後でも問題ないとは思うけど、そこまでになるとドラクエIXの価格自体かなり下がっていると思うし、戦略としては正しいのかも知れません。

 はじめは「思惑と影響」について書くつもりだったけど、長くなったので『影響』については明日に回します。なお、完全に素人目で、ゲーム業界にも物流にも携わっていませんので、間違いとかありましたらお許し下さい。ご教授頂ければ幸いです。それにしても・・・、

katoyuu1
ゼルダ終わった→やるゲームないので未プレイだったドラクエ9頼もう→ポチる→廉価版発表→発送済み→今日届く←今ここ

 かとゆーさん・・・、(´;ω;`)ブワッ

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